貯金がなかなかできてなかった頃よくやらかしていたのは、行動していないのに貯金を増やそうとしていたことでした。
は???って思いますよね?
私も思います。
行動しないと貯金が増えないのは当たり前の話なんですけど、何かと理由をつけて具体的な行動はとってなかったんですよね。
でも、本音は貯金したい。
本音はわかっているのに、行動に移すまでに時間が必要だったり、あれこれ言い訳して本音とは異なった行動をとってしまうーーそうなってしまう理由ってご存知ですか?
行動を変えることにものすごくエネルギーを使うことはもちろん「行動しないことで得られているメリットがある」から、なんて話を聞いたことがあります。
行動しないことで得られるメリットというのは、たとえばお金を貯めるためには節約する必要があったり、買いたいものを我慢しなきゃいけなかったりとか、そういうことですね。
だから、やりたくないと思うのはとても自然なことらしいんです。
行動に移すことはなかなか難しくて当たり前。
…とはいえ、計画を立ててみるだけならできると思うんですよね。
皮算用でもいいわけですし。
まずは「計画を立てる」ことから始めてみようかな、と思って始めたのが私の貯金生活のきっかけです。
この記事では、貯金生活のための準備方法を紹介していますので、参考にしてみてください!
ちなみにですが、今すぐできる節約術のような、対処療法的なものではないです。
最終的には好きなものを買えるようになるし、ガチャ禁もしなくて良くなるし、節約もそこまでガツガツする必要もなくなります。
執筆者:山口 海(やまぐち うみ)
お金は使うのも貯めるのも好き。ガジェットもゲームも好き。
◼︎保有資格/ファイナンシャルプランナー3級・整理収納アドバイザー1級
BlueSky:@umi-log.bsky.social
純資産をチェックする
まず最初にやるべきことは、純資産を知ろうということです。
純資産を知ることで、貯金のために取り組むべき課題が見えてきます。
意外にも、節約じゃないんですよね。
ここで食費を削りますというと、私なら萎えてしまうかもしれません。
資産にはプラスの資産とマイナスの資産があり、その2つを使って純資産を求めていきます。
プラスの「資産」を書き出す
まずはプラスの資産。
ここには以下のようなものが含まれます。
- 銀行口座の残高
- 定期預金
- 財形貯蓄
- 持株会
- 株式や投資信託
- 貯蓄型生命保険
マイナスの資産「負債」の総額を把握する
次はマイナスの資産。
いわゆる負債もしっかりとチェックしていきますが、以下のような項目がマイナスの資産にあたります。
- 返済中の奨学金の残債
- 教育ローンの残債
- 住宅ローンの残債
- 車のローンの残債
- その他ローンの残債、キャッシングなどの未払金
- 支払いが控えている大きな出費
純資産を把握する
どちらの資産も数字を書き出してみたら純資産を出します。
計算式は簡単です。
資産ー負債=純資産 となります。
ローンがなければここがプラスになります。
でも、ローンの金額が大きいほどマイナス額が大きくなると思います。
貯金額が100万円、ローンの残債が500万円なら、純資産はマイナス400万円です。
ちなみに、資産のところに不動産や動産を含めなかったのは、多くの場合、それらを売却できないことが多いからです。
複雑な話ではなく、不動産が持ち家であるなら、売ると住む家がなくなります。
動産は車などが含まれますが、売ると行動に制限が掛かる人もいると思います。
普通の、ごくごく一般的な家庭の場合、家も車も売れないですよね。
だから、含めなかったんです。
それ以外の現物資産も、時価で相場が動くので、貯金生活を進める上ではないものと考えたほうがシンプルです。
この純資産の状態をどうしたいのかーーここを意識するのって大事だと思います。
「純資産の健全化を目指す」ことで、将来に対して過剰に不安になったり、貯金に囚われすぎたりすることもなく、お金に対してフラットに向き合えるようになるんじゃないかなぁって思っています。
純資産が出たら、次のステップです。
固定費を把握する
毎月必ず出ていっているお金、これを書き出していきます。
意外と太いお金があったりするんですよ。
- 家賃(住宅ローン含む)
- 管理費・駐車場費
- 医療・生命保険料
- 税金(固定資産税や自動車税、住民税など)
- 車の維持費・ガソリン代
- 水道・光熱費(直近3ヶ月の金額の平均)
- スマホ、インターネット、電話回線などの通信費
- 教育費、習い事
- 各種サブスク
職業によっては、美容費や被服費を固定費に計上することもあるかもしれません。
毎月「これだけは外せない」という支出が固定費になるので、出してみてくださいね。
ここまできたら、自身の収入から固定費を引いてみてください。
そうして残ったお金が、生活費と貯金に回すことになる金額です。
意外と少ないと思うのか、はたまた結構余裕だった!と思うのかは人それぞれですが、この固定費、まだまだ削れそうだなって思ったら、次の行動は1つ。
「固定費を削減する」です。
余裕で生活できそうでも、固定費を削ってしまえばさらに余裕ができるので、やってみて損はないです。
各種サブスクを見直す
サブスク、気づいたら結構な金額になってた!なんてことがありそうだなって思うんですよね。
あるあるなのが、定期購入を解約し忘れてるとか。
Google PlayやApp Storeの支払い履歴もしっかりとチェックしてみてください。
というのも、契約したときに年に1回払いにしたものとか忘れがちなんですよね…。
私がやらかしたのは、年1回引き落としの音楽系アプリを契約してたのを忘れてYouTubeミュージック使ってた、とかですね。
忘れた頃に使ってないアプリの定期購入が発生したとか、ちょっと悲しいですし、これほどムダなことはないと思うので、隅々までチェックです。
スマホと自宅インターネットを見直して、まとめてみる
スマホやインターネットの乗り換えって、正直バチクソめんどうなんですけど、まだ格安スマホを使ってないなら見直し効果は絶大だと思ってください。
比較するのって結構大変なので、私が使ったことがある、かつ普通に使えたという実績で紹介すると、以下のような格安スマホがあります。
- 楽天モバイル
- UQモバイル
- OCNモバイルONE
- IIJmio
- TONE(TSUTAYA)
どれも最低料金1,000円くらいからなのですが、消費しているギガ数なども考慮する必要があるので、このあたりでざっくりと試算してみると良いかも。
ちなみに、わが家のインターネットは「auひかり」を利用しています。
auひかりは、UQモバイルやauスマホと自宅セット割をすると、スマホ代が割引されます。
この手続きはネットで完結するので楽ちんでした。
UQモバイルは、CATV(ケーブルインターネット)と自宅割ができたと思うので、セット割にも注目して乗り換えを検討してみるのがベストですね。
電話回線を10万円以上払って契約していた頃や、携帯料金に数万円掛かっていたときと比べると、通信費はずいぶん安くなったよね、というアラフォーのつぶやき(笑)
医療・生命保険の見直し
・・・というと、腰が引けちゃう人もいるかもしれません。
保険料は月々だとたいしたことない金額でも、総支払い額で考えると高額になるんですよね。
年間数万円でも、契約期間通してみるとめっちゃ高くなりませんか?
だからこそ、見直すと良いと個人的には思ってるんですけど、じゃあ自分がいざ見直そう!となると、えー、めんどくさ!ってなるので、ここはほんと、めんどくさいです(めんどくさいしか言ってない)。
保険については、分からないまま自分で判断するよりも、専門家に相談するほうが良いことも多いです。
変な保険売られたらやだなって思うのもめっちゃ分かります。
保険の相談をする場合、おすすめなのはその場で判断しないことですね。
だいたいその場で強制的に契約させられるようなことはないのですが、なかにはちょっと強引な方もいるので、持ち帰ってから考えてみるのが良いですね。
あとは、昼休みを狙って営業にくる保険屋さんとかじゃなくて、ファイナンシャルプランナーの資格を持ってる方にお願いすることでしょうか。
FP資格の取得には専門的な勉強が必要だからね!
私もFP3級をもっていますが、相談業務は請け負っていないので明確には答えられないという前提で、少しだけ判断基準をまとめてみます。
- 保険はシンプルに考える!
- 医療保険は共済でも十分
- がん保険は心配なら1本
- 生命保険の保障額は扶養家族の有無と人数で決める
- 各保険の保障が被っていないか調べる
- 昔の保険はしっかり調べて乗り換えを!
とくに見ておきたいのは、「各保険の保障が被っていないか調べる」ですね。
がん保険に死亡保障・高度障害保障が100万円あるのに、生命保険で別途100万円加入してたとかあるあるなので、保険証券を見るだけでも良いのでやってみてほしいです。
ちなみに、保険については以下の記事にもまとめているので、参考にしてみてください。
ガス、電気の乗り換えを検討?
ガスも電気も自由化されて乗り換えられたらいいなぁ…なんて思うのですが、これ、マンションや賃貸だとできないことも多いんですよね。
わが家が経験したことなのですが、電気を提供していた会社が潰れちゃって会社の変更を余儀なくされた…とかもあったんですよ。
これ、地味に迷惑な話だなって感じました。
ここ最近だと、燃料調整費がえぐい上がり方をして電気料金がいつもの数倍になったけど、他の電力供給会社はそうでもなかった、なんてこともありましたよね。
結局、1周して大手電力会社のほうが安かった、なんてことも。
なので、もし乗り換えを検討するなら、インターネット料金とセットでガス代や電気代が安くなる!とか、そういうセット割に注目して乗り換えるのがおすすめかもしれません。
貯金計画の立て方
貯金の計画は、ここでようやく立てられると思います。
収入から固定費を引いて残ったお金のなかから、生活費と貯金を振り分けていくーーという流れになりますよね。
先取り貯金ってよく聞きますけど、ここから先が先取り貯金なんですよ。
どういうことかというと、固定費ってどうしたって最低限かかってくるものじゃないですか。
見直しにも限界がありますし、たとえば引っ越して家賃を節約とか、あんまり現実的じゃないものもあります。
収入から固定費を引いて残ったお金の中から先に貯金する額を決めるーーこれが取り組みやすい先取り貯金の方法です。
収入25万円、固定費20万円、残りが5万円。
固定費を見直してみたら18万円にできて、使えるお金が7万円になった!
浮いた2万円貯金をして、残り5万円で生活しよう!
こんな感じですかね。
だから固定費を先に見直したほうがいいと、私は思っています。
ここからちょっとだけがんばるとしたら、貯金をここから50万円増やしたい場合、それを1年後に達成するのか、2年後にするのかで毎月の貯金額が変わってきます。
1年後に50万円なら毎月約4.2万円貯めないといけない。
でも2年後なら、毎月2万円くらいでいいじゃないですか。
貯金計画って、大事なのは貯める金額じゃなくて、自身にあったペースを維持することだと感じています。
だから、自分にとって維持できる貯金計画というのが、良い貯金計画ですね!
貯金のために、ちょっとがんばる生活
主に貯金するための準備と、固定費の削減についてまとめてみました。
正直、無理なく楽してお金が貯まるなんてこと、この世の中にはどこにもないんですよね。
だから、ちょっとだけがんばるのが、貯金生活のコツかなぁって思います。
ダイエットなら、痩せたいといってるのに部分痩せの動画ばかり見ても痩せないのと同じで、食費ばかり削ってもつらいだけなんですよね。
まずはおおまかな摂取カロリーと消費カロリーを知ったうえで、筋トレや食事制限をするほうが大事じゃないですか。
家計もそれと同じで、資産から負債を引いて純資産を出した上で、毎月出ていくお金を減らし、最後に食費や生活費の節約に取り組んでいくっていう感じです。
支出の見直しや節約だけじゃどうにもできず、負債ばかり膨らんでいくなら収入を増やす方法を検討してみたり、専門家にアドバイスをもらったり、ローンを1つにまとめてもらったりとか、対策を取るための行動も見えてきます。
先に述べた通り、人間ってラクしたいと思ってしまう生き物です。
変わる行動をとるには、これまで享受していたメリットを捨てなければいけない。
だからこそ、ちょっとだけ貯金計画を立ててみる。
ちょっとだけ料金プランを見直してみる。
そのちょっとだけの積み重ねが、1年後の自分のためになると思うのもアリかもしれませんね!